
点訳本の実態
視覚に障害のある方々にとって、点訳本は本を読む大きな手段のひとつです。
しかし、既存の本を点字に訳す(点訳する)作業は誰がしているのでしょうか?
どのような流通の仕方をされているのでしょうか。
あまり知られていない実態があります。

「本を点字で読む」とは
視覚障害者が本を読む場合、聴覚又は触覚で本に触れられる必要があります。
なので、本を読む手段としては「音声で聞く」と「点字で読む」の主に2つがあります。
「本を点字で読む」とは、基本的に既存の本を点字に訳したものを言います。
※一部、幼児絵本等に指で触れて遊び、点字も学べるような点字に特化した本もあります。
主に本は、点字専用のエディタで編集し、点字用のプリンターで出力します

画像引用元:JTR

書籍の点訳
現在、本の点訳を担っている人の多くはボランティアの方々です。
しかし、点訳ボランティアが平均年齢70歳であり、その認知度の低さから若年ボランティアが非常に少ないです。人手不足も大きな問題となっています。
いろんなところでボランティア養成講座が行われており、ワード「点訳ボランティア」と、 お住まいの地域で検索すると現在実施中のボランティアを探すことができます。
ここで、
という疑問がわく人もいるでしょう。
現在の点訳関係のボランティアの仕事は、「点字を直接打つ」ということよりも、
「原本の内容を文字データにする」「文字データを点訳ソフトに入力する」、そして
「点訳してプリントされたものを正しいか確かめる」という作業が主です。
これらの作業は、分かち書きや点字の知識が必要なため、そもそもボランティアを育成するのが難しい状況があります。
「本」と一言で言っても、絵本、小説、新書、専門書、参考書と様々な種類があり、そのすべての需要を満たすのはとても困難です。
ぜひどうか、自分のスキルや能力を点字でも生かしてみてください。
点訳ソフトや点訳サイトも、プリンターもあるのに、どうして点訳ボランティアが必要なの?
